かぐや姫の物語
どこみても賞賛の嵐。
いささか耳障りでげに薄気味悪うありけり。
こんな皮肉っぽいつらゆきにありけり。
という上の文章は読まなくっていいです。
以下いいところ。ほんとだよ!
水彩なのにビビッドな色彩。特にかぐや姫のピンクの羽織がひらひら舞うたびドキドキするような美しさ!
コンマ数秒単位で大きく、女性的になるかぐや姫の身体の線の躍動は、子どもが育つことの奇跡的な喜び、少女が成熟した女性になるエロティックさ、早く成長してしまう事(老化とも言う)の悲しさまでも表現していて、本当に感動的でした。
(捨丸兄ちゃんと密着して急に大きくなるのは『らんま1/2』とか『月の子』(!)みたいだったけど)
さすがっ!パチパチパチ
そしてやっぱり本題、気になったこと。
いくら現代風にアレンジしてるからって
「来月の15日に月に帰らなくちゃいけないの!」って。
なんか別の言い方なかったもんか。と、同行者と。
借金の返済期限かい!
あと帝が後ろから覆いかぶさって
「これをして喜ばなかった女はいないぞ」みたいなとこ。
どの面下げて・・・て単に個人的にカチーンときただけかも。七之助好きだけどね。
かぐや姫もさ「ガーン川◦△◦川」じゃなくて、
罵詈雑言吐いていいと思うよ!いやなんだし。
喋ってはいるけど、総じて、ボキャ貧なかぐや姫。
慰めや謝罪、代弁という名の封じ込めを行うじじばば。
もちろん映像で心情を語っているんだよ。
突然荒れ野に駆け出したり、好きな人と現実を忘れて空飛んだり。
でも、それって妄想でしょ。
妄想だけでいいの?
なんか、
「若い女の人にもあるとかいう生きる辛さといふものを描いてみんとす」
みたいなことを会議室で話し合った姿が想像つく。
その執念で作画50万枚。あ、それだけじゃないか。
アニメーションとして十分挑戦している。
全部ひっくるめて、すごく胸を打たれて、
ラストは込み上げてくるものがありました。
一方で、かわいそうなかぐや姫はやっぱりいってしまうんだよね。
天真爛漫で躁鬱気味ないい子のまま。
今の社会が見て、満足度の高い女性像ってこんな?
それってどうなの。もっとちがう姿があるでしょうが!
といってもすぐにはでてこないけど。
最近忘れっぽくて。
でもこの映画は実態と結構一致しているのかも。
客観的に見た自分像と。
暗い気分になるわ。
ちょっと偏り過ぎだし上から目線でえらそうですか。そうすか。
取りあえず洗濯機の調子が悪く、
延々とすすぎが続いていて、これはどうしてくれよう。