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                                       女もすなる、映画日記といふものを、                  つらゆきもしてみむとて、するなり

もうすぐ断食でどうなるアルジェリア!?ー『アルジェの戦い』ー

まず、アルジェリアはちょっと置いておいて、断食の話から。

次の土曜、6月28日から、イスラム暦でいう今年の断食月ラマダン)が始まる。

インドネシアでは、断食のことを「プアサ」と言うのだけれど、

それを前に、方々でいろいろな行事をしている。

それについては、おもしろいこととか、気になることとかがいっぱい!

 

その1 お祭り

ついこないだの火曜か水曜の夜には、

つらゆきのアパートの近く(大通りからだいぶ奥に入った住宅地)で、

ラマダン入り前の前夜祭的なお祭りがあった。

普段は昼に路端に出ている屋台が遅くまで大集合して、

日本のお祭りと同じようなおもちゃの露店も出ていて、

空き地ではステージを建ててその上でバンドが演奏していて、

それを見に来てる若い人達もいて、

例のごとく男女それぞれグループでキャピキャピしてて、

とっても楽しそうで賑やかだった。

 

その2「スンバコ」

スンバコとは、スンビラン・バラン・ポコッ Sembilan(9)Barang(物) Pokok(重要) の略。

本来的には油、お米、塩、砂糖などの生活必需品を

普段お世話になっている人に贈る、日本でいうお歳暮に近い風習なんだけど、

贈る相手によってその内容物が大きく異なってくる。

大きなスーパーなんかではお菓子や果物の豪華な詰め合わせが

パックになって山積みになっていて、

比較的裕福な人同士はそういう「必需品」ではない物を贈り合う、という

お歳暮的な面が強いし、

 

そうではない人には、

油とか調味料とかインスタント食品とかを贈る。

 

つらゆきの勤め先は、

1998年5月のジャカルタ暴動で、

本当に大勢の日本人がジャカルタ中心部にある自宅に帰れなくなり

設立以来最大の窮地に陥ったんだけど、

その時に地域の人たちに助けてもらった(守ってもらった)時以来、

毎年近隣の人を集めてスンバコをしている。

今年は1000個近く配った。

 

17年間このスンバコをしてきた人によると、

最初の頃は、この地域も今よりずっと生活の苦しい人が多くて、

開催する日になると人が殺到してみんな目がギラギラしてたけれど、

少しずつ生活が豊かになってきたこと、

また何年も変わらないスタンスで継続してきたことで

(もちろん方法は改善されていっている)

争奪戦しなくてももらえるんだということが理解されて、

そういう積み重ねで信頼関係が築かれ、

穏やかな雰囲気の中、お互いに笑顔で言葉を交わしながら渡せるようになった、

とのことだった。

 

やっぱり、「恩返し」って大事だなって思う。

同時に、地域の交流、支援活動というものを成功させるには、

こういう地道さが必要不可欠なんですね!

 

で、話は戻るんだけど、

裕福な人達にとってはその意味合いは薄れているのかもしれないけど、

そもそも、施しとか喜捨とか、イスラム教の教義にのっとった風習なので、

この行事に参加するたびに、あらゆる面で完全なエイリアンである自分が、

イスラム教の世界の中において相互作用を起こす何かをしている、

という感覚を持つ。

これって意外と少ない機会なのです。

 

その3 お墓参り

こえは家族行事としてですね。

普段からひどい渋滞が、

ラマダン前後の週末は墓地に行こうとする車で更に混む。

とのことで、まさに盆。

ちなみに、犠牲祭というイスラム暦のもう一つの大事な行事

(メッカ巡礼をする「ハッジ」もこの時期)の前後も

お墓参りシーズン。

今年は大統領選の選挙運動も真っ最中だから、

どこもかしこもいつも以上に渋滞だ~

 

その4 わーるどかっぷ

他にもいろいろあるんだけど、

取りあえず、今、全世界的に気になることは、やっぱり、

ブラジルワールドカップでしょう!

 

インドネシアは、総人口に対してのサッカー人口は決して多くないけど、

やっぱり人気はあるし、結構観てるんだよね。

つらゆきのアパートでも、

各部屋のテレビはサッカー中継になると有料だから基本映らないんだけど、

駐車場のテレビはどこかからかコードを引っ張ってきてて、

夜通し守衛さんとか運転手さんとかが観てる。

それで、「日本負けたね、残念だね」とか朝っぱらから声かけてきてくれて、

嬉しいんだか悲しいんだか。

 

で、気になるのは、

28日からの断食で、イスラム教徒の多い国はどうなるのかと!?

特に、イランは厳格なイスラム教国だし、

ボスニア・ヘルツェゴビナは敗退してしまったけど、

ムスリム率高いアフリカ勢もまだまだ残ってるし、

 

最も注目すべきは、ジダンの両親の母国

アルジェリア!!

アジア時間の明朝、韓国との一戦が控えているわけで、

既に一敗しているので後はない。

しかーし、今回は2010年12月~の『アラブの春』以降に行われる

初ワールドカップであり、その波を大いに受けたアルジェリア

どこまで躍進できるか、

そして、もし韓国に勝てたとしたら、

断食をどのように乗り越えていくのか、

それとも勝つために食べるのか、

意外と敬虔なイスラム教徒が少なくて心配ないのか、要注目!

 

そんなアルジェリアの映画といえば、1966年の『アルジェの戦い』。

 

イタリア人監督によって、フランスからのアルジェリア独立後初めて製作されたドキュメンタリータッチの映画。

(ある意味、アクトオブキリングの正道パターン)

完成までに5年もかかったそう。

独立戦争の凄まじさが焼き付けられたような映画で、

その迫力・出てくる人々の眼力に、心臓をバクバクさせながら観た。

今観てもすごいわーーー!

 

ベネツィア映画祭では、上映や最高賞の金獅子賞の授与最中に

フランス代表団が反仏的だと怒って退席したが、

つらゆきの敬愛なるトリュフォーだけは最後まで席に残った、

という、記憶されるべきエピソードもあるわけで、

これは、是が非でも注目しないわけにはいかないのである。